Oblivion攻略ブログ 独善的仕置人

シロディール世直しの旅 - Oblivionの悪党仕置プレイ日記と攻略、CS、Modに関する記事を書いております -

スキングラード 妄執のグラアシア Another Story

錬金術で一儲けしてシェイディンハルの家を買った私は、金儲けにも飽きたので、諸国を回ってみることにした。やってきたのは、一風変わった雰囲気を持つスキングラード。帝都に並ぶ格式を持つ大都市だ。

高さのある建造物に囲まれたこの街の狭い路地を歩いていると、閉塞感すら感じる。ちょうど、2つの地区を繋ぐ街の中央に差し掛かった時、見知らぬ男が近づいてきた。



「そう、あんただ。そこのあんただ。」
人目をはばかるように男は言った。どうやら、私に話があるらしい。

「ここでは詳しいこと話せないが、頼みたいことがある。夜中に大聖堂の裏まで一人で来てくれ」
男は口早に言った。

おいおい、いきなりそんな頼み事されても困るぞ。
「ちょっと、君、訳ぐらい話してくれ」と私はやり返す。

「とにかく、大聖堂の裏で待ってるから、必ず来てくれ! 詳しいことはそのとき話す。必ず一人で来てくれ。頼んだよ」
男はそう言い残して立ち去った。

ややこしいことには関りたくなかったが、男の切羽詰った様子が妙に気になって仕方なかった。

警戒心より好奇心が勝ってしまった私はどうしても男の話を聞いてみたくなり、私は宿を借りて、相棒をそこで待たせることにした。



「あんまりヘンなことに巻き込まないでよ」
相棒は不満げだったが、数日間の宿代を渡して、その日の深夜、約束の大聖堂へ向かった。

男は私が到着する前から、長い時間待っていたようで、私がその場に来るなり、深刻な面持ちでいきなり本題から話してきた。



「最近、私は誰かに狙われているんだ、監視もされている。」
「今から言う3人を調べてもらいたいんだ。報酬は払う!頼むよ、あんたはよそ者だし、うまくいくと思うんだ。」

男の名前はグラアシアと言う。
ある時を境に隣人から監視されているとのことだ。

俄かには信じがたい話だが、あまりの真剣さに圧倒され、この依頼を二つ返事で引き受けてしまった。

「ありがとう! 恩に着るよ。まず、調べてほしいのはベルナドットという女だ。私の家の向かいに住んでる。毎朝6時に私の家を監視してから、誰かに報告しに行くんだ。その一部始終をあんたに調べてもらいたい。報酬ははずむ。また、明日ここで待ってるから。」

それだけいうと、グラアシアは帰っていった。

早速、グラアシアの家の前に張り込んで、ベルナドットを尾行することにしよう。

「おい、そこの君!」



厳しい声の主を探すと、スキングラードの衛兵が立っている。

「私はスキングラードの衛兵長のディオンという者だ。最近、グラアシアのことを尋ねて回っているというのは君か?」

「いえ、大したことではないんですけど、ちょっと彼から頼まれたことがありまして・・・」
と答える私。

「いいか、あいつの変人だ。関りにならんほうが良い。君のためだ。何かあったら、必ず私のところに言いに来るんだ。わかったな。」

「わかりました。」
とりあえず、こう答えておいた。

いったいグラアシアと言うのは何者だろう。

まあ、今考えても仕方がない。とりあえず、依頼の方を優先して、張り込んでみよう。

午前6時。
ベルナドットは家を出て、グラアシアの家を一瞥したかと思うと、その足で大聖堂の方へと歩いていった。



ベルナドットは誰かに何かを報告していることもなければ、怪しいところも一切なかった。多分、グラアシアの思い過ごしだろう。

さて、報酬をもらいに行くか。

その夜、グラアシアと大聖堂の裏で会い、ベルナドットの件は思い過ごしだと伝えた。

グラアシアは調査結果に不服のようだったが、しぶしぶ報酬を出してきた。

「ベルナドットの件はわかった。次にこの男を調べてもらいたい。」
グラアシアは新たな調査を依頼してきた。

「・・・で、・・・だ。頼んだぞ。」

どうせこの男の被害妄想に決まっている。マトモに聞く必要もない。調査対象の名前すら忘れてしまった。

「了解した」
こう答えた私は調査対象をグラアシアに変えた。

悪いが、夜が明けたら、グラアシアについての聞き込みを行ってみよう。

調べた結果、グラアシアはこの街では知らない者がいないほどの有名な変人だということがわかった。

住人の中には強く警戒している者もいて、グラアシアを監視しようという動きもあるぐらいだ。
まあ、この点においてはグラアシアの勘も外れてはいないわけだが・・・。

一度、グラアシアの家も調べておいたほうがよさそうだな。

鍵を何重にもかけた扉を恐る恐る開けると、何の変哲もない普通の屋内だった。



ただ、少々書物が多いことが気になった。

1階から3階まで、大量の書物が、うずたかく詰まれており、兵法書から歴史書、オカルトまでジャンルは多岐にわたっている。

あの男は四六時中、この書物の山と格闘しているのか?

書物だけが友人・・・か。

なんだか若い頃の私と似ているな。

・・・。

妙に感傷的な気分になってしまった私は気を取り直して地階も調べみることにした。

ジメジメした部屋を奥まで進んでいくと、癖のある文字を書きなぐったメモが机の上に散乱している。



あるメモにはこう書かれていた。
「今日、ベルナドットに監視されていることに気付いた。彼女は自分に優しくしてくれた数少ない人の一人だったのに。いままでの親切はみんなウソだったんだ。」

他のメモには、グラアシアが怪しいと目を付けている人物達の観察記録が記されていた。私のことも書いてあるようだ。もう彼は誰も信じられないのだろう。

その夜、グラアシアに再度、監視などされていないことを告げた。

すると、また新しい調査を依頼してきた。
「隣に住んでいるスリリー兄弟を見張ってくれ。こいつらはとんでもない偽善者だ」

「了解した」
そう答えた私はグラアシアと別れ、夜が明けたら、スリリー兄弟と直接話してみることにした。

予想に反して、スリリー兄弟はグラアシアに対して好意的だった。
「確かに彼は変わってるけど、今まで迷惑をかけられたこともないし、大人しいお隣さんだよ」

・・・。

グラアシアの敵意とは対照的に隣人は概ね好意的だった。始めはグラアシアも変人なりに周囲に受け入れられていたのではないんだろうか。

では、グラアシアと周囲の亀裂が入ったのはいつだろう。

急にベルナドットの態度が変わったり、スキングラード住人が警戒心を抱くようになったのは何故だろう。

ある時点からグラアシアが精神を病んで被害妄想に陥り、妙な態度に出た事が原因なのだろうか。

または、始めから被害者意識を持っていたが、それを隠しながら付き合っていくうちに、周囲に妙な警戒心を悟られ、嫌われてしまっただけだろうか。

今夜、グラアシアによく話してみよう。

その夜、例によって大聖堂でグラアシアと会った私はこう伝えた。
「君は組織に狙われてなんかいない。君の行動が少々変わっているから、みんなどう接していいのか分からないだけなんだ。君が敵意を持っているから、彼らも警戒するんだ。」

そして、こう付け加えた。
「でも、君が変わっていることは悪いことじゃない。君は彼らに何も悪いことはしていない。だから、スキングラードの住人が君の事を悪く言うのは筋違いだ。だから、気にすることもない。」

そして、質問を投げかけてみた。
「今まで、周囲の人間と何かトラブルがあったか?」

そう言い終わらない内に、グラアシアは逆上し、襲いかかってきた。



「お前もグルだったんだな!」

ダメだ。グラアシアはもう聞く耳を持っていない。

間の悪いことに衛兵が駆けつけ、グラアシアに斬りかかった。



「グラアシアを攻撃しないでくれ!」

私の制止も聞かず、衛兵は容赦なくグラアシアを斬り捨ててしまった。



私は衛兵に駆け寄った。
「助けてくれたのはありがたいが、グラアシアは武器も持っていなかった。殺す必要はなかったじゃないか!」



「グラアシアの死体が見つかったんだ。多分、アイツの妙な行動に耐えられない人に殺されたのかもしれないな。」
「今、アンタがやったんじゃないか。」
「おい、よそ者、妙なことに首を突っ込むな。グラアシアは自業自得で誰かに殺されたんだ。わかったな。」

・・・。

ここはいくら言っても無駄だ。自分が殺されかねない。この場を離れよう。

・・・。

今ならまだ、リザレクトの魔法で蘇生が可能だろう。グラアシアを大聖堂の地下へ運び、なんとか蘇生させた。

「私は死んだんじゃなかったのか」
グラアシアは怪訝な顔をしている。

「君は回復魔法で一命を取り留めたんだ。」
と私。

「あんたは組織のグルじゃなかったんだな。襲い掛かって悪かった。」
グラアシアは申し訳なさそうだ。

「グラアシア、組織なんて無い。多分、君はハメられたんだ。恐らく、君がそういう現実離れした妄想を抱くように仕向けられたんだ。周囲の人間と調和できなくなったのは何時からだ?詳しく話してくれ」

「確かに自分が変人だというのはよくわかってるよ。でも、それなりにうまくいってたんだ。特にベルナドットやスリリー兄弟たちとはね。だけど、ある時をきっかけにみんな私に不審な目を向けるようになったんだ。」

「思い過ごしじゃないんだよな?」

「そうだ、これは思い過ごしじゃない。組織とか言っていたのは自分の勘違いだと認めるよ。だけど、急に周囲との亀裂が入ったのは事実なんだ。それで全く意味が分からないから、強引に理由付けしているうちに突飛な方向へ考えが向かってしまったんだと思う。」

「わかった。とりあえず、ここに隠れていてくれ。」



ジュリアノス聖堂の地下で身を隠すようにグラアシアに告げ、私はいい解決法がないか思案していた。

とりあえず、宿に戻って相棒に相談してみよう。



「・・・、という訳なんだけど、何かいい知恵はないか?」
「さっき言っていたディオンとか言う衛兵長を調べてみるのもいいかもしれないわね」

ディオンか。

確かにグラアシアと接触するなり、いきなり忠告してきたタイミングから考えると、グラアシアと私を尾行していた可能性も考えられる。

それにグラアシアが暴れだした時に、衛兵はためらうこともなく斬り捨てた。

この辺から考えて、一旦調べてみるのもよさそうだ。

スキングラード東門の近くにある衛兵宿舎に今夜忍び込んでみよう。

・・・。

衛兵宿舎に忍び込んだ私たちの耳にタイミングよく、ディオンと下級衛兵のやり取りが入ってきた。



「隊長。グラアシアの件ですが、ヤツはご命令どおり始末しました。しかし、逮捕ではなく即刻斬り捨てるというのはやり過ぎではないでしょうか? 現在、身柄拘束に生死を問わないのは指名手配中のグレイフォックスだけです。それに、今回の件によそ者が首を突っ込んでいるようですし・・・」

「よそ者がうるさいようなら、適当な罪状を付けてまた始末すればいい。」

「しかし・・・」

「いいか、市民の安全を守るというのはこういうことなんだ。グラアシアは実際は殺すまでも無いただの変人だ。だが、我々は常に犯罪者予備軍を監視し、そういう連中の鋭気を殺いでいかないといけないんだ。」

「ということは、グラアシアは特に危険人物ではなかったと仰るのですか?」

「我々にとって、グラアシアも他の市民も同じなんだ。グラアシアを悪く言っているような連中もきっかけがあれば暴徒と化す。だが、スキングラード住人にグラアシアを警戒するように呼びかける。そうすれば彼らは一致団結する。街の治安の為に尽力しているんだという気になる。大衆というのはそういう風に管理していかないといけないものなんだよ。」

「つまり、そういう効果を見越して、グラアシアの警戒を呼びかけていたということですか?」

「そうだ。グラアシアは言うなれば、尊い犠牲だったんだ。そして、グラアシアが死んでも誰も悲しまないようにまで情報操作する。それが治安を守るということだ。そしてまた、新しい犠牲者をまた選ぶ。後は繰り返しだ。次は不敬のエルスあたりが妥当か・・・」

・・・。

私たちはジュリアノス大聖堂地下に戻って、事の一部始終をグラアシアに伝えた。グラアシアは怒こる気力も無いようだ。



「この状況じゃ、他の街へ行っても同じだな。ディオン衛兵長から他の街へ連絡が入ってしまう。」
グラアシアは落胆した様子だ。

「こうなったら、ディオンを殺ってしまうしかないだろう。」
私は簡単に口にした。

「何言ってんの? あんたの腕で勝てるわけないでしょ。あたしと2人がかりでもディオンは倒せないわ。万が一勝っても殺人犯よ。」
と辛辣な相棒。

!!!

私は一計閃いた。

・・・・・。





次の日の深夜、スキングラード東門の衛兵宿舎前で私は服を脱いで大声で叫んだ。

「パンツ、パンツ、パパパパパーンツ!」




「スタァーップ! この変質者め!」


すぐにディオンが駆けつけた。

「お前はグラアシアのことを嗅ぎ回っていたよそ者だな。夜中に衛兵宿舎の前で女物の下着を広げて、パンツ一枚とはいい度胸だ。やっぱりアイツと同じイカレ野郎だったのか。さあ、牢屋まで来い。」

「でも、パンツが・・・」

「パンツは没収だ。さあ、来い」

ディオンはちょうど私を始末しようとしていたところなので、これ幸いと私をスキングラード城へ連行しようとした。

城を目の前にして、私は橋の上で立ち止まった。



「どうしたんだ、変質者?」

「ディオン隊長。あんたの遣り方はエグイですぜ・・・。グラアシアをハメたんですね。」
私は答えた。

一瞬、ディオンの顔がこわばった。

今しかない。

その瞬間、私はディオンに猛然と体当たりをした。



不意を衝かれたディオンは、私のタックルを避けきれず、橋から足を踏み外した。橋から転落していくディオンの双眸には、不思議と敵意よりも驚きの色が現れていた。

例えディオンほどの猛者でもこの高さから落ちたらひとたまりも無いだろう。



案の定、橋の下でディオンが息絶えていた。

私は用意していたビール瓶をディオンの傍らに置いた。

ディオンは酔っ払って転落死したのだ。

・・・。

さあ、長居は無用だ。

早くこの街を離れなくては。



「ディオンをやったぞ! 町を出て北の森を抜けて、コロールへ行こう!」

コロールはスキングラードと違うオープンな気質の土地柄だ。グラアシアもうまくやっていけるだろう。

夜が明ける頃にはウェイノン修道院の近くまで来ることができた。



「あんたには世話になったな。何にも礼ができないが、スキングラードにある私の蔵書を受け取ってくれないか。なかなか価値のあるものだ。それにあんた、一回家に忍び込んだことがあるだろう。だから鍵はいらないよな」
グラアシアは私と出会ってから初めて屈託の無い笑顔を見せた。

「忍び込んだのは悪かった。あの時は私も君のことをおかしいと思っていたんだよ。」

「いや、実際おかしかったよ。組織とか言ってたしな。でも、事の真相が分かったから、もういい。コロールでまたボチボチやり直すよ。」

「君ほどの知識量があれば、レノア書店で使ってもらえるんじゃないか。ああ、そういう名前の本屋があるんだ。」

「そうか、良かったら紹介してくれないか?」
グラアシアも案外乗り気だ。

事情を話したところ、エステルは快くグラアシアを迎えてくれた。



「最近、ちょっと変わったジャンルの本も入れようと思ってたの。ちょうど良かったわ。わたし、オカルト方面の本ってあまり知らないのよ。それでメイジギルドのお客さんがあまり来ないのよね」
エステルも乗り気だ。

グラアシアが勤めてからというもの、レノア書店の品揃えが良くなったとコロールでは評判だ。

最近では、メイジギルドのメンバーが毎日の大量に本を買っていくらしい。



[ 2008/01/31 ] | | CM(0) | TB(0)
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